二分脊椎

二分脊椎とは?

二分脊椎とは胎児期に脊髄や脊椎の癒合不全を生じた状態です。生まれた時に背中の皮膚欠損があり、生後24時間以内に閉鎖手術を要する開放性脊髄髄膜瘤と、皮膚欠損がない脊髄脂肪腫があります。運動麻痺、知覚麻痺、水頭症、膀胱直腸障害に対し小児科、脳神経外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科など多数の科がかかわる必要があります。麻痺の程度は、全く歩けない子から、走ったりでき、ほとんど支障のない子までさまざまです。

二分脊椎による整形外科的な問題について

背骨が曲がったり、股関節が脱臼したり、足の変形が生じたりします。股関節脱臼は筋力低下が著しい子に多く、通常の先天性股関節脱臼に比べ、治療が難しいです。大腿四頭筋という膝をのばす筋肉の麻痺がなければ、立ったり、歩いたりできることが多いですが、麻痺の程度により種々の足の変形がおきます。足の変形がおきても足の感覚がないために、足のたこやキズに気がつかず、ひどい皮膚潰瘍になってしまうこともあります。

二分脊椎による足の変形の治療法について

二分脊椎による足の変形は先天性内反足を合併することもありますが、ほとんどのものは麻痺の程度と関係して生じる後天性のものになります。治療法は、装具や特別な靴を使うことにより変形の進行や褥瘡ができるのを予防します。変形が強く装具や靴の装着が困難になったり、足のうらにタコや潰瘍ができてしまうような場合には手術を行います。
1980年以降、神奈川県立こども医療センターでは、なるべく1回の手術で済むように距踵関節固定と変形に応じた腱移行術や腱固定術を行う足の組み合わせ手術を行ってきました。距踵関節固定を確実に行うために手術は4歳以降としています。二分脊椎の麻痺は弛緩性麻痺(筋緊張が弱い状態の麻痺)のため、一度変形を矯正しても、長期間経過すると変形の再発や逆変形を生じやすくなっています。変形を矯正した良い足の形の状態で距踵関節固定を行うことにより、変形の再発や逆変形の発生を最小限にできます(図1, 2)

図1

図2

二分脊椎による足の変形の再発について

神奈川県立こども医療センターにおいて、二分脊椎で足の組み合わせ手術を行い、15歳以上に達した35人60足の臨床調査では、装具や靴の装着が困難な程の変形が残存する人や褥瘡が常に存在するような成績不良な人はいませんでした。また距踵関節固定を行い15歳以上に達した21例34足のレントゲン調査でも、足関節の軟骨が少なくなっていたのは1足のみで、その他の20人33足では足関節は正常に保たれていました。