発達障害

Q. 「発達」とは?

A.小児の成長を考える上で、「発達」と「発育」の2つの側面があります。「発達」には、「精神発達」「言語発達」「運動発達」などが含まれ、主に脳の機能を反映し、「発達の障害」を来す疾患の多くは、神経内科で扱います。また、「運動発達の障害」は脳だけではなく、脳からでる脊髄、末梢神経、筋肉が上手く働いていない可能性もあり、これらも神経内科で扱います。

「発育」には、身長や体重の増加などが含まれ、簡単には「体の大きくなり具合」を意味します。「発育の障害」の原因は様々ですが、主要な疾患は内分泌・代謝科で扱われます。

Q.「発達障害」とは?

A.分類は様々ですが、簡単には、精神遅滞(MR: mental retardation, ID: intellectual disability)と自閉症・自閉症スペクトラム(広汎性発達障害やアスペルガー症候群などを含む)の大きく二つに分けることが出来ます。両者の症状は重なり合うので、完全に分けるとは難しいですが、以下の様に考えると、分かりやすいのではないでしょうか。

ヒトは、赤ちゃんから大人に至るまで、様々な領域で階段を昇るように能力を獲得していきます。この階段の一段一段の高さが低ければ、上までたどり着くのに時間がかかります。これは「精神遅滞」を示します。つまり、積み重なり方が量的に異常がある状態です。では、階段の一段一段の高さが、場所によって様々だったらどうでしょうか。領域によっては優れていたり、拙かったりとばらばらで、上手く上までたどり着くことが出来ません。これは「自閉症スペクトラム」を示します。つまり、積み重なり方が質的に異常がある状態です。ですから、質的な異常が強ければ、量的にも異常となり、両者が共通の症状を持ち得ることが理解できます。

Q.神経内科の外来では、どのようなことをするのですか?

A.「発達障害」は、「脳機能が上手く働いていない状態」といえますが、その原因は多種多様ですので、その原因を明らかにすることが重要です。最近の研究により、ご本人の持つ遺伝子(体の設計図;約3万種類ある)のうち、脳の機能にかかわる遺伝子が上手く働かないことが原因であることが少なくないことが明らかになり、治療法のある疾患があることも分かってきました。

外来では、診察の上、以下のような検査を検討します。
(注意:検査項目はお子さんの症状により異なります。)

  • 血液検査(一般的な生化学検査、甲状腺ホルモンなど)
  • 尿検査
  • 染色体検査(血液検査と方法は同じです)
  • 遺伝子検査(血液検査と方法は同じです)
  • 画像診断(頭部MRI/CT)
  • 電気生理学的検査(脳波、神経伝導速度、筋電図など)
  • 発達検査(臨床心理室など)
  • 他科の併診(遺伝科など)

発達障害の原因は非常に多く、また、未だ明らかになっていない部分も多いため、必ずしも、通常の検査で原因が明らかになるわけではないことをご理解下さい。